ドライアイ患者数は急激に増えていると考えられ、従来本邦における患者数は800万人と推測されていたが、最近のデータからは2200万人とも考えられるという報告もある。
ドライアイは従来主に「眼不定愁訴」の原因として認識されていたが、最近は視機能そのものにも影響を与えると考えられるようになり、QOVにおける新たな一面が注目されている。
 ドライアイ治療には、さまざまな方法が臨床で応用されるようになってきている一方で、SLK(上輪部角結膜炎、Superior Limbic Keratitis)、結膜弛緩症などの周辺疾患や、シェーグレン症候群などの全身疾患を鑑別する必要があり、的確な診断と治療法の選択が重要である。
ドライアイ研究会では、2002年より毎年2回の講習会を実施して、主に開業医の先生や臨床家を対象にドライアイアップデートについて積極的に生涯教育を行ってきた。
 しかしながらドライアイは発症機序ほかその多くが解明されておらず、病態解明に向けてこれから益々研究が必要とされている分野である。
涙液分泌の低下や質の変化等に関しては、単なるオキュラーサーフェスにとどまらない広い視野と深い探求を要するものと考えられる。
そこで、よりドライアイ研究を活性化させるために、若手のドライアイ研究者育成を目的とした学びの場“箱根ドライアイクラブ”を2007年6月より始めることとなった。
箱根ドライアイクラブでは、臨床ばかりでなく、研究を含めた広い視野でプログラムを組んでいる。
これから専門を決める先生はもとより、オキュラーサーフェスの分野で研究をしたいと考えられている若手の先生のための教育プログラムとして考えている。

第2回箱根ドライアイクラブ実行委員長  坪田 一男