ドライアイを放置することで起こりうるリスクと治療法を紹介

目次

日ごろから目が乾く、物がかすんで見えるなどという症状が見られる方は、ドライアイを発症している可能性が高いです。

ドライアイとは涙の量が不足する、または目の表面に涙が均一に行き届かなくなるという病気であり、放置しておくと重症化するおそれがあります。

そこで本記事では、ドライアイを放置することで起こりうるリスクや、治療法を紹介します。 目の違和感に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

ドライアイを放置することで起こりうる3つのリスク

ドライアイを放置することが、失明に直接つながるわけではありませんが、以下のようなリスクが考えられます。

リスク①実用視力が低下する

ドライアイを放置することで、実用視力が低下してしまうことが考えられます。
実用視力とは、視力検査で測るような瞬間的な視力ではなく、日常生活における平均的な視力のことです。

通常、目の表面には均一の量の涙が溜まっていますが、ドライアイになると涙が足りなくなり、目の表面がでこぼこしてしまいます。 目の表面がでこぼこしていると、光が乱反射して目の中に入ってくるため、視界がぼやけることで実用視力が低下してしまうのです。

リスク②角膜感染症を発症する

ドライアイを放置することで起こりうるリスクとして、角膜感染症の発症も挙げられます。
角膜感染症とは、角膜がウイルスや細菌に感染することで炎症を起こしてしまう病気です。

本来、涙には目の表面を守る役割がありますが、ドライアイになることで涙の量が減り、ウイルスや細菌が直接目の中に入ってしまうことがあります。 その結果、角膜感染症を発症し目が痛くなる、または白目が充血するなどの症状が出ます。

リスク③精神面へ負担がかかる

実は、ドライアイになることで精神面に負担がかかる場合もあるのです。
一見、ドライアイと精神面への負担は関連性がないように思えますが、ドライアイによって副次的に発生するさまざまな不調が精神的なストレスにつながります。

ドライアイを発症し、目が疲れることで、自律神経のバランスが崩れ、肩こりや頭痛、集中力の低下といった身体の不調を発症することがあります。 このような不調により、質のよい睡眠が取れない、または仕事に集中できないという事態が発生し、心身ともに負担を感じてしまうでしょう。

ドライアイの治療法

ドライアイの治療法には、主に「点眼治療」と「涙点プラグ」の2種類があります。

点眼治療とは、人工涙液やヒアルロン酸点眼液などを用いて、涙液の補充や角膜の傷の修復を促す治療法のことです。 ドライアイを放置したことで重症化してしまった場合は、ステロイド点眼薬とよばれる、ドライアイの症状を緩和する効果がある薬を使用することもあります。

そして涙点プラグは、涙を出す場所である、目頭の涙点とよばれる部分に涙点プラグという栓を挿し、涙が流れないようにして、目の表面に涙を溜めるという治療法です。

また、目の表面に涙を溜めるためには、涙点を完全に閉じる涙点閉鎖術という手術を受けることも有効です。
ドライアイ治療方法の詳細はこちらのページでも紹介しております。

ドライアイの治療期間

ドライアイになった場合、適切な治療を行うことで症状が改善されることが期待できますが、残念ながら完治することはできないとされています。
そのため、点眼治療や涙点プラグなどの治療を継続し、症状を軽くしていくことが大切です。

ドライアイを改善するために自分で行える対処法

ドライアイを改善するためには、医療機関で適切な治療を受けることが大切ですが、同時に自分で行える対処法を知り実践することで、より早く改善できるでしょう。

自分で行えるドライアイの対処法には、以下のような方法が挙げられます。

▽自分で行えるドライアイの対象法

  • こまめに目薬をさす
  • まばたきの回数を増やす
  • 目を温める

目に不足している涙を補充するためには、こまめに目薬をさすことが効果的です。

また、まばたきの回数が少なくなることもドライアイを発症する原因の1つであるため、意識的にまばたきの回数を増やして、目の乾燥を防ぎましょう。 目の疲れを感じたら、蒸しタオルなどで目を温めて回復させることも大切です。

ドライアイのケアや目の疲れ(眼精疲労)の対処法について、詳細はこちらのページでも紹介しております。
【関連記事】
ドライアイのケアについて
目が疲れる?眼精疲労の原因と対処法を紹介

まとめ:ドライアイを放置すると実用視力の低下や角膜感染症の発症が起こりうる

いかがでしたでしょうか?

ドライアイを放置することで、実用視力の低下や角膜感染症の発症を引き起こしてしまうことがあります。 また、ドライアイが原因で目が疲れてしまうと、肩こりや頭痛、集中力が低下するなどの症状が出て、その結果心身ともに負担を感じるといったケースも起こりえます。

ドライアイを重症化させないためには、目に違和感があればすぐに専門機関へ相談し、点眼治療や涙点プラグなどの適切な治療を行うことが大切です。

本サイトでは、ドライアイの原因やケア方法について詳しく説明しています。 ドライアイでお困りの方は、ぜひ弊社のサイトを参考にしてください。




当サイトを運営する「ドライアイ研究会」(世話人代表:横井則彦 京都府立医科大学)は、近年、臨床の現場で増加しているドライアイに対する研究の推進と診療の向上を目的として、Founding Presidentの坪田一男が世話人代表となり、1990年に発足しました。

1995年には「ドライアイの定義と診断基準」を発表し、その後の2度の改訂を経て、2016年には「ドライアイの定義と診断基準(2016年版)」を発表しました。その間、学術集会や講習会を開催し、2019年には「ドライアイ診療ガイドライン」を日本眼科学会誌(第123巻 第5号)に発表しました。また、ドライアイを専門とする世界の眼科医との国際会議を通じて、臨床に即したドライアイの世界の定義の作成にも取り組むなど、多岐にわたり活動してまいりました。

ドライアイ研究会では、今後もさらに研究を続け、皆様へ正しいドライアイの情報の発信を続けて参ります。


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