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            「目が痛いけれど原因がわからない……」という不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
            原因がわからないと、このまま放置していてよいのか、何か対処をしたほうがよいのかといった判断ができずに悩んでしまいますよね。
            
            そこで本記事では、目の痛みの原因や、目が痛いと感じたときの対処法を紹介します。
            目が痛いと感じる原因を知りたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。
          
目が痛いと感じる原因とは?
              目が痛いと感じる原因はさまざまで、場合によっては重症化するおそれのある病気を発症している可能性もあります。
              ここからは、目が痛くなる原因を解説します。
          
原因① ドライアイ
              目が痛いと感じる原因として、ドライアイを発症しているということが考えられます。
              ドライアイとは、目の表面を守るために必要な涙の量が不足する、または涙の質が落ちて蒸発しやすくなるといった症状がみられる病気のことです。
              
              ドライアイの主な症状は目の乾きですが、目の痛みや違和感などが生じることもあります。
              目が乾いてしまう原因には、コンタクトレンズの使用やパソコンの長時間の使用などが挙げられます。
              これらの原因により目の乾きが進行すると、目の痛みを感じるようになってしまうのです。
              
              
   
              
   
              
          
原因②眼精疲労
              目の奥に痛みを感じる場合は、眼精疲労を発症しているかもしれません。
              
眼精疲労はドライアイと合併して発症するケースが多く、目の奥の痛みやかすみなどの症状がみられます。
              
              眼精疲労もドライアイと同様に、コンタクトレンズの使用やパソコンの長時間の使用などが原因ですが、場合によっては頭痛や吐き気などの症状をともなう場合もあります。
          
原因③目の表面に傷がついている
              目の表面が傷ついてしまい、痛みを感じるというケースもあります。
             
特に、眼球の外側を覆う「角膜」という部分は非常に繊細であるため、角膜に傷がつくと目が開けられないほどの強い痛みを感じることもあるでしょう。
              
              角膜が傷つく原因としては、目に物が当たる、またはドライアイにより目が乾燥するということが挙げられます。
              通常、角膜は涙で覆われているため、まばたきをすることで目に入る細菌やウイルスを涙が除去します。
              
              しかし、ドライアイを発症し涙の量が不足してしまうと、まばたきをした際に涙が細菌やウイルスを除去できずに、角膜に傷がついてしまうのです。
          
原因④目に異物が混入している
              目にごみや砂などの異物が入ることで、目が刺激され痛みを感じることもあります。
              
特に、異物が角膜に勢いよく入ってしまった場合は、角膜に異物が刺さり、目の痛みだけではなく充血したり涙が出てきたりします。
              
              角膜に異物が刺さった状態のまま放置すると、細菌感染が起こってしまう可能性があるので、早急に除去することが大切です。
              
              また、洗顔の際に使用するスクラブや抜けたまつ毛などが結膜に入ることも、目の痛みにつながります。
              角膜に異物が入ったときと同様、異物を除去する、または洗い流すということを行いましょう。
          
原因⑤コンタクトレンズの使用
              コンタクトレンズの使用も、目が痛くなる原因の1つです。
              
コンタクトレンズは角膜の上に装着するという仕組みであるため、レンズと角膜のあいだは涙でうるおっていても、レンズの上の涙は不足してしまいます。
              その状態でまばたきをすると、レンズの上とまぶたのあいだに摩擦が起こり、痛みを感じることがあります。
              
              また、保存液にしっかりと浸かっていないコンタクトレンズや、変形したコンタクトレンズを使用した場合も、角膜が傷つき目の痛みにつながる可能性が高いです。
          
原因⑥ものもらい
              目が痛いと感じる原因として、ものもらいを引き起こしていることも考えられます。
             
 ものもらいとは、まぶたにある汗や脂を出す腺に細菌が感染することで引き起こる炎症のことです。
              
              ものもらいの主な症状は、まぶたの一部が赤く腫れて痛みを感じるというものです。
              
  
              ものもらいが進行するとまぶたの中に膿が溜まりますが、多くの場合、その膿が出ていき自然と治ります。
しかし、感染が目の周りに広がり、眼科蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)や眼瞼膿瘍(がんけんのうよう)といった病気を引き起こし、発熱や失明につながることもあります。
          
原因⑦逆さまつ毛
              逆さまつ毛も目が痛くなる原因として挙げられます。
              逆さまつ毛とは、本来であれば外側を向いているはずのまつ毛が内側に向いて生えている状態のことです。
              
              逆さまつ毛があると、まつ毛が眼球に触れることで角膜や結膜が傷ついて、目が痛くなります。
              角膜や結膜が傷つくと、感染症を引き起こすことも考えられます。
          
原因⑧視神経炎
          視神経炎の発症も、目が痛いと感じる原因に該当します。
          
視神経とは眼球の後ろから脳まで伸びている神経の束のことで、色や光の明るさなど、眼球に入った情報を脳に伝える役割があります。
          
          視神経炎は視神経が炎症を起こしている状態で、症状としては目の奥が痛くなることが多いです。
          
原因⑨緑内障
          目が痛いと感じている場合、緑内障という病気を発症している可能性もあります。
          
緑内障とは、視神経に障害が起こることで視野が狭くなってしまう病気のことです。
          
          緑内障は徐々に見える範囲が狭くなる病気なので、発症していることにすぐに気づけないケースがありますが、治療が遅れると失明につながることも考えられます。
          
原因⑩緑内障発作
          緑内障発作という病気も、目の痛みの原因となる病気です。
         
緑内障発作は、緑内障の症状が急激に進行する病気で、目の痛みだけではなく眼圧の急激な上昇による頭痛や吐き気などの症状もともないます。
          
          眼圧が上昇したまま放置していると、早い段階で失明に至ることもあるので、眼圧を下げるための点眼や手術を行わなければなりません。
          
原因⑪角膜炎
          目が痛いと感じる場合、角膜炎を発症しているということもあるでしょう。
          
角膜炎は、角膜に炎症が起きる病気のことで、目の痛みだけではなく涙が出る、まぶたが腫れるという症状もあります。
          
          ドライアイやコンタクトレンズの使用などにより角膜が傷つき、角膜炎を発症する可能性が高いです。
          また、角膜炎を発症しているのにもかかわらず放置していると、角膜に穴が開く角膜穿孔(かくまくせんこう)などの病気を発症する事態も考えられます。
          
原因⑫結膜炎
          結膜炎の発症が原因で、目が痛むということも考えられます。
          
結膜炎は結膜に炎症が起きる病気で、主な症状は目やにの発生や目の充血といったものです。
          
          結膜炎を発症する主な原因は、目がウイルスや細菌に感染することや、花粉などのアレルギー反応を起こす物質が目に付着することです。
          結膜炎の種類によっては、のどの痛みや発熱などの目とは関係のない症状が出ることもあります。
          
原因⑬ぶどう膜炎
          ぶどう膜炎を発症した場合も、目の痛みを感じることがあります。
          
ぶどう膜とは、網膜に栄養を届けるための脈絡膜と、瞳孔の大きさを調整する虹彩、そして水晶体の厚さを変化させてピントを調整する毛様体を合わせた組織のことです。
          
          ぶどう膜炎はこのぶどう膜に炎症が起きた状態を指し、発症すると目の痛みや視力の低下などの症状がみられます。
          
目が痛いときの6つの対処法
          目が痛いと感じたときは、適切な対処を行うことが大切です。
          
ここからは、目が痛いときの6つの対処法を紹介します。
          
対処法①早めに眼科へ行き検査を受ける
          目が痛いと感じたときは早めに眼科へ行き検査を受けることが大切です。症状を放置しておくと、さらに症状が悪化する場合や失明につながる場合があります。
          眼科へ行き適切な治療を受けることで、症状の改善が期待できます。
          
          また、コンタクトレンズの使用が原因で目が痛む場合は、コンタクトレンズの度数が合っていないことも考えられるため、定期的に検診を受けて適切な度数のものを使用しましょう。
          
          当サイトを運営するドライアイ研究会では、クリニックや医師の紹介をしております。
詳しくは「会員クリニック一覧」のページをご覧ください。
          
対処法②目を温める
          蒸しタオルや蒸気を目に当てて温めることも、目が痛いと感じているときに行うとよい対処法の1つです。
          
          目に温かいものを当てると目の血行が改善され、筋肉の緊張がほぐれます。
          その結果、目の疲れが軽減され痛みが和らぐことが期待できます。
          
対処法③パソコンの画面を見るときは画面との距離を調整する
          パソコンの画面を長時間見ることで、ドライアイを発症し目が痛くなることがあります。
          パソコンの使用による目の痛みを軽減するためには、パソコンの画面に目を近づけすぎず、適度な距離を保つようにしましょう。
          
          また、パソコンの画面が極端に明るい、もしくは暗い場合、目が疲れやすくなります。
          そのため、パソコンとの距離を調整することにくわえて、画面の明るさも調整しましょう。
          
対処法④目薬を使用する
          ドライアイが原因で目が痛くなっている場合は、目薬を使って目にうるおいを与えましょう。
          
          ただし、防腐剤が含まれている目薬を使用すると、目に負担がかかり炎症を起こしてしまう可能性があるため、涙に近い成分で作られた人工涙液の目薬を使うことがおすすめです。
          人工涙液の目薬はドラッグストアなどで購入できます。
          
対処法⑤洗眼液や水などで優しく目を洗う
          目に異物が混入したことにより痛む場合は、洗眼液や水などで優しく目を洗いましょう。
          目に混入した異物は、涙だけでは流れない可能性が高いので、目の表面を水もしくは洗眼液で洗い流し清潔な状態に保つことが大切です。
          
          特に、洗眼液は目の表面だけではなく、まぶたの裏の汚れも洗浄することができるので、異物を綺麗に除去することが期待できます。
          
対処法⑥目の周りのマッサージを行う
          目の周りのマッサージを行う
          ことも、目が痛いと感じたときの対処法として効果的です。
          目の周りにはいくつかのツボがあるため、指でツボを押して目の周りの血行を改善させ、目の疲れを軽減させましょう。
          
          また、目を見開いて眼球を右回り・左回りに大きく回すという体操を行うこともおすすめです。
          目の周りのマッサージや眼球の体操を行ったあとは、しっかりと目を休ませましょう。
          
まとめ:ドライアイを含む目の病気や異物の混入などが原因で目が痛むことがある
          いかがでしたでしょうか?
          目が痛いと感じる主な原因として、ドライアイやものもらいなどの目の病気が挙げられます。
          また、目に異物が混入することやコンタクトレンズを使用することが原因で目が痛くなることもあります。
          
          目が痛いと感じた際は、まず初めに眼科へ行き検査を受けて、適切な治療を行うことが大切です。
          
          本サイトでは、ドライアイの検査や治療の方法などを紹介しています。目の痛みにお悩みの方は、ぜひ本サイトを参考にしてください。
          
                当サイトを運営する「ドライアイ研究会」(世話人代表:横井則彦 京都府立医科大学)は、近年、臨床の現場で増加しているドライアイに対する研究の推進と診療の向上を目的として、Founding Presidentの坪田一男が世話人代表となり、1990年に発足しました。
1995年には「ドライアイの定義と診断基準」を発表し、その後の2度の改訂を経て、2016年には「ドライアイの定義と診断基準(2016年版)」を発表しました。その間、学術集会や講習会を開催し、2019年には「ドライアイ診療ガイドライン」を日本眼科学会誌(第123巻 第5号)に発表しました。また、ドライアイを専門とする世界の眼科医との国際会議を通じて、臨床に即したドライアイの世界の定義の作成にも取り組むなど、多岐にわたり活動してまいりました。
ドライアイ研究会では、今後もさらに研究を続け、皆様へ正しいドライアイの情報の発信を続けて参ります。
            

